体がだるくて重い〜腎からのアプローチ・漢方編〜
体がだるくて重い〜腎からのアプローチ・睡眠編〜では、しっかり睡眠をとって腎を整えるという話をしました。
体がだるくて重い〜腎からのアプローチ・寒さ編〜では、外からも内からも寒さ対策をして腎を消耗させないようにしましょう、という話をしました。
ここでは腎に対する漢方薬についてお話ししていきたいと思います。
少々長くなってしまいますが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。
さて、一般的には六味丸とか八味地黄丸、それに五苓散なども腎に対するお薬とされています。
と言ってももちろんそれだけではありません。
まず腎が弱るとどういう状態になるかですが、大きく分けて以下の四つの状態が考えられます。
1、腎虚
腎は体の動力源であるというお話をしました。
この動力源が減っている状態のことです。
ですので、ここを補う「補腎剤」が適切な処方になります。
「補腎剤」となる生薬は塾地黄、何首烏、枸杞子、山茱萸、山薬などがあります。
2、腎陰虚
東洋医学は自然の摂理がもとになって発生した学問です。
その中には「陰陽説」があり「三才の法則」があり、「五行説」があります。
それぞれ宇宙にあるあらゆるものを2つと3つと5つに分けて考える考え方ですが、ただ2つに分ける、3つに分ける、5つに分けるだけではありません。
それらは相互作用があり、互いに協力したり拮抗したり影響を受けたりして存在していると考えます。
そして大切なのはこれらのバランスです。
どこかひとつが強くて力があってもダメなのです。
そしてバランスが崩れると体調不良という形で現れ、私自身はそのバランスを取るためにどこをどう治療していくか考えていくのが東洋医学の基本的な考え方だと捉えています。
前置きが長くなってしまいましたが、、
その中の五行説では体の五臓六腑の関係性について説いています。
それに基づくと、「腎」は「心」の機能を抑える役割があります。
ですので、腎が消耗した場合、心の機能を抑えることができなくなるのです。
そうすると心が力を発揮しすぎて暴走し、体全体としてのバランスが崩れてしまいます。
心は「陽」の臓器ですから、体全体が「陽」に傾き「陰」が足りなくなる、つまり水分が体の中に相対的に足りない状態となってしまいます。
そのような時には水分を補う「滋陰剤」が適切な処方となります。
また心は身体中に血を運びますが、その血自体が不足している時は「補血薬」も有効です。
「滋陰剤」である生薬には地黄、天門冬、麦門冬、百合、など
また「補腎剤」である塾地黄、何首烏、枸杞子、山茱萸、山薬にも滋陰作用があります。
「補血薬」には当帰、芍薬、竜眼肉などがあります。
3、腎陽虚
腎は動力源、な訳ですが、動力源は「陽」のエネルギーです。
腎はこの「陽」のエネルギーを心に伝え、そのエネルギーを使って心は全身に血を送って循環させていきます。
そのおかげで人は活発に活動できると考えます。
しかし腎が疲弊して、この「陽」のエネルギーが減ってしまった場合、心に伝わる「陽」のエネルギーが減ってしまいます。
すると心は元気に働くことができず、結果として人も活発に活動できなくなります。
そのために、腎に「陽」のエネルギーを補う「補陽剤」が有効になります。
「補陽剤」で有名なのは附子でしょう。
これは強力な「補陽剤」です。
その他、桂皮なども体を温める「補陽剤」です。
4、利尿薬
腎の大切な働きの一つに水分コントロール・排泄作用があります。
この力が落ちると体の中の余分な水分を排泄できなくなります。
そのような時に適しているのが「利尿薬」です。
「利尿薬」で有名なエキス剤は五苓散ですね。
五苓散には利尿作用のある生薬が4つ入っています。
長くなってしまいました。
ただ、ここで見てもらって分かる通り、腎の機能が落ちたといっても、どこに焦点を当てるかで随分対応の仕方が変わるということです。
例えば二つ目の「滋陰剤」と四つ目の「利尿薬」は作用が逆になるものですが、どちらも腎に対するお薬です。
ですので、生活や食事の改善にあたる養生法にしても、処方する漢方薬にしても、腎の機能が低下したと一口にいっても、それがどのように体に作用しているかを見極めなければ効果は得られないのです。
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