育てにくいお子さん①

今、この「育てにくい」という言葉がとても聞かれるようになりましたね。

ADHDや自閉症などの病名や「合理的配慮」とか「加配」などの言葉も盛んに使われるように

なりました。



ADHDや自閉症はいわゆる神経発達症と呼ばれるものですが、「育てにくい」という言葉は

これらと診断されたお子さんの症状に対して使われることも多く、小さいお子さんをお持ちの

親御さんたちの中には我が子が「育てにくい子ども」だった場合、将来そういった病名がつく

のではないかと心配されている方もおられます。



健診などでも「育てにくさ」は親御さんにお聞きしますし、実際の身体的・精神的発達などを

加味してお子さんを評価し、その評価をもとに園などでの関わりを気をつけたり、場合に

よっては療育につなげたりします。


(*)療育とは言語的発達が遅いお子さんはその訓練を、細かな運動や協調運動が苦手なお子

   さんはその訓練を社会的発達に遅れがある場合には、専門の施設でそれらの訓練を  

   行うことです。

   また集団保育等をすることで総合的に発達を促す場合もあります。



また「発達の凸凹」という言葉もあります。

これは得意分野と苦手分野の差が激しいということですが、特に神経発達症のお子さんに

対比てよく使われる言葉です。


ただ、人間はロボットではないので一律に考えるには難しい部分があります。


「育てにくさ」にも程度がありますし、また発達に遅れがある場合はその遅れの程度も様々

です。

そしてどこに遅れがある(苦手がある)も人によって全く違います。

またご本人と周りの方との相性や環境でも「育てにくさ」の程度は変わってきますし、

何を目標にしていくかなども人により様々かと思います。



例えば、身体的にも精神的にも発達に多少の遅れがあっても、おとなしい性格で集団の中で

大騒ぎをしたりしない場合、特に年齢が低い間は周りはそれほど問題視されないこともありま

す。


それとは逆に「大人しく座る」とか「話を最後まで聞く」などが苦手な場合では、集団教育

の場面ではとても目立ってしまうため、例え教科では良い成績をおさめていたとしても問題視

される傾向にあります。



前者の場合は手がかからないからと見過ごさず、適切な声かけや関わり方を行ったり、場合に

よっては早期に療育につなげることが発達を促す上でとても大切になってきます。


そして後者の場合は、本人の良いところをどんどん伸ばしていける対応をしながら、集団の場

でその子が「困った子」との評価がつかないよう、周りの大人が配慮することが大事になって

くるでしょう。



つまり支援の仕方に絶対的な決まりはなく、医療的介入にしても公的サポートを受けるにして

も、日々の中での声かけや対応にしても、ご本人のいる環境や親御さんの気持ちなどを加味

しながら、都度柔軟に対応していくことが求められるのです。



長くなったので、育てにくいお子さん②に続きます。



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